「漢方薬」とは、

   複数の「生薬」を組み合わせて作られたもの。

◇ 日本で独自に発展してきた医学

漢方医学は、大陸との交流によって七世紀頃に伝来した中国の伝統医学が基礎となってはいますが、まったく別のもので、日本で独自に発展してきた医学です。

 

「漢方」という呼称は、江戸時代に伝来して「蘭方医学」と呼ばれた、オランダ医学と区別するために日本で作られたので、中国には、「漢方」という言葉はありません。

 

 

◇ 生薬と漢方薬、民間薬と漢方薬 の違い

一般には、「生薬」と「漢方薬」は同じと思われている方も多いようですが、実はそうではありません。

 

たとえば、昔から馴染みのあるセンブリやドクダミといった生薬は、理論的、体系的な根拠があって使われてきたものではなく、長年にわたる経験や伝承によって、いわば生活の知恵として用いられてきたものです。

 

こうした生薬は、いわゆる民間薬といわれるもので、「単味」といって、通常は1種類のみで使われるのが特長です。

 

これに対して、漢方薬といわれるものは、理論的、体系的な診断方法や治療方法に基づいて、医療用として使われる薬物です。

 

民間薬と異なり、数種類の生薬を一定の割合で組み合わせ、処方して使われます。